メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書)

メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書)

いわゆるメディア論的には俎上に乗りにくい部分の議論が分かりやすく書かれている。

ジャーナリストは基本的にジェネラリストであって、科学について専門的な知識を持っているわけではない。
学者の研究をクリティカルに判断する能力を持たず、時間的制約の中で文責を預ける形での記事化になりがちになる。

また、「安心です、だいじょうぶ」という語り口よりも「〜は危ない」という警鐘のスタイルの方がメディア的に(世間的にも)受け入れられやすい環境があるため、総じてリスク偏重型の報道になりがちである。「問題ありませんでした」といった事後的なフォロー、修正はあまり重視されておらず、報道されたとしても当初報道に比べて目立ちづらい扱いになるケースが多い。