2005-05-01から1ヶ月間の記事一覧

手続きとしての取材、報道

取材プロセスの「可視化」ということで一度書いたが、手続きとしてフェアじゃない形での記録、録音は盗聴の域を出ない。これを報道の価値などメディア側の都合で揺るがせにすることは、最終的に報道の手足を縛ることにつながる。朝日新聞のNHKとの問題をめぐ…

AirMacExpress故障

しばし有線で。

旧日本兵

どうもやられたっぽい雰囲気。 そうだとすればメディアも外務省も踊らされているわけで、犯罪としてきっちり詰めるか、自然消滅化の方向となるだろう。 イラクの斎藤さんのケースでは慎重に展開していったが、いずれの場合も親族にしてみればレトリックの問…

「つくる会」は読み解けるか

“癒し”のナショナリズム―草の根保守運動の実証研究作者: 小熊英二,上野陽子出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会発売日: 2003/05/01メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 54回この商品を含むブログ (57件) を見る読了。 報道力学:<癒し>のナショナリズム

ふた世代分のときを超えて帰還へ

比で元日本兵2人生存、大使館員きょう面接調査 一報では自らアプローチしてきたとあって若干懐疑的に見てましたが、当たりでしたか。 戦中から一気に21世紀の日本へ…ふた世代分の時を超えての帰還とは、壮絶。

教科書問題

教科書も読まずに批判するとは そもそも、歴史を記述する際の「バランス」とは何なのか。 例えば、現行の8社の中学歴史教科書のうち、扶桑社以外の7社の教科書には菅原道真、二宮尊徳、東郷平八郎といった人物についての記述がない。昭和天皇や柿本人麻呂…

消える「MASTERキートン」

絶版になっているとか。 詳しい事情はNarinari.comさんやARTIFACTさんのところに書かれている。 浦沢氏の作品については柔らかめのよりキートンとかパイナップルアーミーとか硬派なネタが好みで、「勝鹿北星」という原作者の名に一種憧憬のような思いも抱い…

リスクコントロールの不備

脱線事故で亡くなった運転士は、次にミスをしたら運転士を辞めるという誓約書を書かされていた。 背景として事故を起こした路線で以前にミスをやった先輩運転士がやはりミス隠ぺいを画策、それが発覚した折の会社側対応というと以下の通りだったという。 ま…

取材プロセスの「可視化」

JR会見での暴言問題で、記者の複雑な心境が語られている。 T記者名暴露:新時代象徴なら貧しすぎる 「記者会見はもっと抑制的にできなかったのか」との声があちこちから聞こえる。ところが、取材現場で抑制的に振舞うのは至難である。新しい情報、新しいモノ…

匿名情報源の取り扱い

【ニューヨーク22日共同】イスラム諸国で反米デモを引き起こした「コーラン冒とく」報道を行った米誌ニューズウィークは今後、匿名の情報源を使用するのは編集長または特定の編集幹部の承認を得た場合に限る、との新編集方針を決めた。 報道に至る経緯につ…

名誉毀損訴訟 中西準子氏が心境を述べられている。 当初は、何か自分が書き過ぎたのかとか、言い過ぎたのかと思っていたが、自分の書いたものを反復して読み、益永さんはじめ多くが発表しておられることや、私のもとに届く激励のmail、FAX、手紙などを読むに…

『大仏破壊』読了

タリバンの攻勢から崩壊に至るアフガニスタンの姿がよくわかる。 地方出身のタリバン及びそれを率いるオマルはイスラムの教義についても政治的についても基本的に無知で、野心もなかったが、期せずして宗教的、政治的権威となっていく。そのプロセスで関与し…

『抗日』の誤解

萬晩報にて早大アジア太平洋研究センター特別研究員の文彬氏、 日本のマスコミと「五四」 (略) 日本のマスコミでは概して「五四」は即ち抗日記念日となっている。 しかし、これは読者や視聴者に対する恐ろしい誤導(ミスディレクション)である。抗日記念…

種の本質を見ること

外来種管理ばかりがやり玉に挙げられることが多いが、実は子どもたちや漁協が善意で行っている放流も、問題を抱えている。 希少種の復元や自然環境保全を掲げ、メダカなどの放流が盛んになっている。しかし、環境が合わずに魚が死んだり、他種を捕食してしま…

科学技術のための情報リテラシー

メディア・リテラシーという言葉はかなり定着してきたが、実質的にはメディアという媒体よりも、情報のルーツの部分に至るリテラシーが必要だ。 血液型人間学など、裏付けのない情報を受け入れる文化を、遊びの余地と捉えるのか非科学的と捉えるのか。そこに…

併読中

『大仏破壊』高木徹 戦争広告代理店を書いたNHKディレクター。前作に比べるとちょっと濃度は低いかな。それでもやっぱし面白い。業務としての取材とこういう仕事が両立するっていうのは本当にうらやましい。 『戦争における人殺しの心理学』デーヴ・グロスマ…

dando vs PJ 再び?

PJとブログ時評の議論、終息していたと思っていたら、 速報! ライブドア・ニュースへの誘い:おぞまし過ぎる!! 自宅に帰ってメールボックスを開けたら、なんとライブドア・ニュース担当から、ブログ時評を「当社で展開するBlogニュース(仮)」の対象とさせて…

匿名、実名論議から派生するもの

取材者の暴走について、実名もしくはハンドルネームが抑止力となるという議論がある。 抑止力の作用の仕方についてちょっと面白い話があった。 実名の延長としてハンドルネームを見る意見について、法的裏付けを暴走の抑止力とする考え方だとし、松岡氏は世…

ニュースは、日常からの差分と、常態化した非日常からの差分。 報道は、その差分と日常を、有機的に紡ぐ作業。

PJのあり方について考えてみる

諸尾 圭氏のパブリックジャーナリスト論について。 パブリック・ジャーナリストの可能性 パブリック・ジャーナリストに対する批判も多いですが、あえて可能性を示したと思います。それには、まず良いジャーナリスト、良い記事は何かという事から始めなくては…

問題指摘のレトリック

落ち着いたのかな、と思った頃にまたこの手の報道が。 民主議員がゴルフ大会 JR事故現場から30キロ 民主党の現職参院議員17人が今月8日に、尼崎JR脱線事故現場から約30キロ離れた神戸市北区内のゴルフ場でゴルフ大会を開催していたことが16日、…

Yahoo!ニュース-コーラン冒とくは「誤報」 ニューズウィークが謝罪" http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050516-00000030-kyodo-int 【ワシントン15日共同】米誌ニューズウィークの編集者は15日、イスラム教の聖典コーランを米軍の尋問官がトイレに捨…

新聞記事は行数を減らすために、過去に触れた事柄について触れなくて済むのならできるだけ省くという傾向がある。 既報分とのダブりを嫌うあまり、毎日読まないと分からない、ある日急に子どもが開いて読んで分からない新聞にしているのは大きな欠陥だ、と私…

識者談話でおもしろい話になっている。 悩ましいのは、どんぴしゃの専門家ほど忙しいということだ。スマトラ沖地震のときは、津波の専門家が軒並み現地入りし、コメントをもらうには同行するしかなかった。あるいは、その分野にめっぽう詳しい専門家でも、客…

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20050513ic01.htm 週刊新潮で当該記者の社名が明らかにされ、ネットでは実名も流れ始めた段階で、読売新聞は社会部長名でのおわびを出した。 産経が自戒の記事を掲載してから一週間である。 常識的に考えれば、この…

盗用の後始末

これはひどい。 さらに、盗用したコラムの執筆者は当初説明していた外部のフリーライターではなく、TBSの編成制作本部スポーツ局企画渉外部の担当部長(47)だったことも公表した。TBSは同日夜、記者会見し、盗用について改めて謝罪するとともに、担…

報道と事件の距離

「パブリック・ジャーナリズム」はジャーナリズムか。 通常、父が不審死を遂げたことについて、警察は自殺として処理しているが、警察の捜査に誤りがあるのではないかと訴える遺族を見たマスメディアは、何らかの形で記事化したり、テレビのワイドショーなど…

産経新聞 - 「拘束邦人は警備会社員」1年前からイラクで従事 政府、確認急ぐ http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050510-00000023-san-intつまりこれのこと。戦争請負会社作者: P.W.シンガー,Peter Warren Singer,山崎淳出版社/メーカー: NHK出版発売日: …

新型ATS導入を急ぐ国交相

発生数日後から上記のようなことを言い出した。 下の関連サイトをみていて、ATS-Pの導入そのものが、少なくとも脱線事故を防ぐわけではないらしいということがわかった。設定が適切でなければ速度制限に繋がらない。逆に古いタイプのATSでも同じことは設定で…

想像力の欠如

被害者と加害者。 国内と国外。 身内と他人。反日問題やJR脱線事故でのバッシングなど、安易な境界の設定と、限定的な範囲で有効な論理がメディアを覆う。かつて、朝日だったか、新聞のコラムで元Jリーガーの井原が戦略的なファウルについて肯定的な意見を述…