新聞記事は行数を減らすために、過去に触れた事柄について触れなくて済むのならできるだけ省くという傾向がある。

既報分とのダブりを嫌うあまり、毎日読まないと分からない、ある日急に子どもが開いて読んで分からない新聞にしているのは大きな欠陥だ、と私は新聞社内で公言し、同意する幹部もいる。大人の読者だって毎日、全部を見ていられないはずである。しかし、活字が大きくなって減った文字数分に同じ本数の記事を無理して詰め込んでいるから、省略傾向はますます強まっている。はっきり言って読んで分からなくて当然なのだ。

僕も、そう思うときもあるし、紙面の都合という点も、わかる。
どっちが正しいというものでもない。

ただ、書き方、というのはあるのかな、という気がする。
既報部分のキモとなる部分を上手にコンパクトに埋め込んで記事化していくということ、あるいは本記と書き分けること、なんかはコツ次第じゃなかろうか。