匿名情報源の取り扱い

 【ニューヨーク22日共同】イスラム諸国で反米デモを引き起こした「コーラン冒とく」報道を行った米誌ニューズウィークは今後、匿名の情報源を使用するのは編集長または特定の編集幹部の承認を得た場合に限る、との新編集方針を決めた。

報道に至る経緯については、以下のようなことらしい。

 スミス氏によると、「信頼できる米政府筋」の情報に基づき、国防総省高官にも事前に記事を見せて確認を求めるなど「多くの適切な手段」を取っていた。高官がコーラン冒とくに何も言及しなかったのを事実関係の肯定と誤解したため、新指針では「暗黙の了解」は、いかなる場合も確認の手段に値しないとした。

この「筋」の取り扱いについて、かつて議論となった記憶があり、探ってみた。
概略は以下のようなもの。

福田康夫官房長官は五月三十一日、定例の記者会見で核保有は法理論上可能との見解を示した直後に、記者団との懇談で非核三原則の見直しもあり得ると発言した。 官房長官は内閣記者会との間で定例の会見と懇談を行っている。内容を記事にする場合、会見は「官房長官」の実名だが、懇談はオフレコ扱いのため発言者を特定せずに「政府首脳」とするルールとなっていた。 このため「福田発言」を報じた記事の中に二つの表記が混在。官房長官と政府首脳は別人との印象を与えることになった。この発言をめぐって国会が空転。福田長官は六月三日に自分の発言と公に認め、国会で「真意ではない」と釈明して事態を収拾した。 その後「政府首脳」の表記は使っていない。