リスクコントロールの不備

脱線事故で亡くなった運転士は、次にミスをしたら運転士を辞めるという誓約書を書かされていた。
背景として事故を起こした路線で以前にミスをやった先輩運転士がやはりミス隠ぺいを画策、それが発覚した折の会社側対応というと以下の通りだったという。

 また、この運転士の隠蔽が発覚した日に京橋電車区の区長の人事異動が行われ、運転士らの口裏合わせに新区長が激怒。所属の運転士らに「絶対にミスをするな」と指示を出したという。

この場面で本質的に問題とすべきは隠ぺいをすることで、ミスそのものをあげつらうあたりがズレを感じさせる。基本的に懲罰をもって縛るシステムだったのだなという感想しかない。
フェイルセーフ的見地からすれば、人的トラブルを防ぐために精神論で臨むのは、ナンセンスに等しい。ヒューマンファクターによるトラブルを排除するためには、個人の状態に依存しないバックアップ体制を組み立てるのが筋だ。これはコストとは別問題。