靖国神社が分祀を拒否

 A級戦犯合祀(ごうし)を理由に中国や韓国が小泉純一郎首相の靖国神社参拝に反発している問題に関連し、宗教法人・靖国神社(東京・九段)は、与党の一部から実現を求める声が出ているA級戦犯分祀(ぶんし)について「あり得ない」と表明した。共同通信の質問書に対する回答で、従来の立場を公式見解として示したもので、分祀による打開は当面困難となった。

靖国側として分祀の選択肢がありえないことは、意外でもない。
政教分離である以上、政治の側が分祀を強いることも難しいということになる。
一方で読売のような新聞が国立追悼施設の設置を求めたり中曽根元首相という政治家が靖国参拝取りやめを求めるというような動きがある。
A級戦犯をめぐる解釈の違いは各立場からの受け止めであって、角をそろえるようなことは将来も不可能だろう。
である以上、手続き的に可能なことは、読売社説が指摘するように、以下のあり方でしかないのではないか。

 「分祀」するかどうか、あるいは「分祀」できるかできないかなど、祭祀の内容を解釈するのは、一宗教法人としての靖国神社の自由である。

 ただ、国内にはさまざまな宗教・宗派があり、現実に、宗教上の理由からの靖国参拝反対論も多い。

 靖国神社が、神道の教義上「分祀」は不可能と言うのであれば、「問題解決」には、やはり、無宗教の国立追悼施設を建立するしかない。

ただ現実の問題は小泉という一言居士の存在。
始末が悪いのが、参拝に固執するメリットがどこにあるのかわからないというところ。
政治家として折れることを忌避している、としか思えない。