組閣のココロ

一見して"遊び"がない布陣だなあという感じ。相当堅い。
唯一の異色人事、猪口邦子起用も特命大臣の男女共同参画相とあっては表立って手腕を問われることもないだろう。

政策的な見どころは、ポスト小泉という要素を抜きにしても安倍官房長官および外相の町村→麻生への交代だろう。首相との一体感が強くにじむ布陣で、アジア外交は一層テクニカルに推移するに違いない。右旋回を強めるなかで、どうバランスをとるか、特に麻生はシビアな仕事が求められる。

防衛大臣の額賀も与謝野経財相も結構面白い。
派手さこそないが、それぞれ政府系金融統廃合、米軍再編と、小泉の仕事の仕上げの部分を任される要職で、うまくすればかなりポイントを稼げる。もっとも正否のスイングの幅が大きい政策課題を抱えているだけに、リスクも高いが。

そして、見逃せないのが組閣報道の裏で北米産牛の輸入再開が決まり、また基地移設への沖縄の首長の声がかき消されたことだ。日程として11月2日と見られた組閣が前倒し、プリオン専門調査会の結論が出る時間帯に安倍入閣や党三役の人事の情報が流れたことは、きちんと覚えておいた方がいい。