特殊指定

新聞の「特殊指定」堅持を…新聞協会が特別決議

 離島や配達困難な環境でも同一料金で情報を提供するために…「知る権利」という部分を除けば、ユニバーサルサービスの維持が焦点。つまり構図としては郵政民営化時の議論に似た部分がある。ただ、「特殊指定」を外す恩恵の部分がどこにいくかというと読者というよりは新聞業界の、同業者間のパイの奪い合いになるわけで、財政問題と直結する郵政民営化と同列に論じるには事情が違いすぎる。

 結局議論のツボは「新聞は物流を超えられるか」で、宅配網を超える情報提供スタイルを新聞産業が営利の手段として創出しうるのかどうか、公取委が業態の変化のタイミングをどう図るかにかかっているのかなと思う。そういう意味では現状は離陸への条件が整っていない。特殊指定を外せば単に辺境が草狩り場になるだけだ。体力勝負による局部戦と、排除が有効になることが公正な市場と言えるのか。新聞業界という市場に「安さ=消費者のメリット」という論理がストレートになじむのか。この辺りを度外視して公取委が荒っぽい選択をするとは思えない。むしろ思惑は別の角度にあるのではないか。新聞業界は押し紙その他の問題を抱えている。いわゆる販売正常化を促すために、どちらかといえば"手綱"としての機能の方が、公取委にとってメリットがあるのではないかと見るのは穿った見方だろうか。