取材か、盗撮か

朝日放送、説明会の映像放映 JR西が配慮申し入れ

 朝日放送(ABC、大阪市)は18日のニュースで、JR西日本福知山線脱線事故の遺族を対象に非公開で開いた説明会の模様を撮影した映像を放送した。

 JR西日本は同日、朝日放送に対し「取材自粛を要請したのに、映像には遺族の姿が映っているばかりか、肉声まで入っていた。極めて残念」として、今後映像を使用する際には配慮するよう申し入れた。

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 朝日放送によると、出席した遺族からビデオテープを入手し、夕方の全国ニュースと夜の地域ニュースで放送した。同社広報室は正規の取材活動とした上で、抗議について「コメントする話ではない」としている。

前段として以下のような記事があった。

遺族説明会、ビデオ撮影で打ち切り JR脱線事故
 JR西日本が18日に開いた脱線事故の遺族説明会で、「個人の記録用」と許可を得て内部の様子をビデオ撮影していた遺族の女性が、途中で「放送局のビデオ」と話したためほかの遺族が反発、JR側が「議事進行できない」として説明会を打ち切ったことが、出席した複数の遺族証言で分かった。

 証言によると、女性は開会直後に撮影を申し出て、遺族側にビデオを向けず、JR側だけを撮影する条件で許可を得た。JR側は説明会をマスコミに非公開とし、出席者に対してもほかの遺族の肖像権などを理由に撮影の自粛を要請していた。

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 閉会後、女性は共同通信の取材に撮影と発言を認めた上で「JR西日本の態度は信用できないので、発言を記録しておけばよいと思った。ビデオを持っていなかったので、民放の人に借りた」と説明。ビデオとテープは「返しておいて」と別の人に託し、どうなったか知らないという。

 つまりは朝日放送が遺族にビデオを渡して本来取材としては得られなかった映像を入手し、放映したということ。果たして正規の取材活動と強弁できるだろうか。