犯人に告ぐ』を読んでいて、これはいわゆる劇場型犯罪というものを捜査に絡めて、「劇場型捜査」という形で捜査官がメディア出演しながら犯人を追うというミステリ。TVのチカラ的手法そのままに捜査を進めるようなものだが、当然メリット、デメリットというシーンが描かれる。

指名手配容疑者の「手配広告」、ヤフーが無償で掲載
 5月下旬、県警側が無償で広告を掲載できないか要請し、ヤフーで検討した結果、「広告枠が空いたスペースがあり、公共性も高いので協力することにした」(ヤフー広報部)としている。

 有料で広告を掲載する場合は、約300万円かかるという。掲載は今月末までで、ヤフーは「他の警察から申し入れがあれば前向きに検討する」としている。

こういう部分を「ぬるさ」とみるか、「臨機応変」ととらえるか、それぞれだろう。

新聞では少なくともこういう形で広告スペースを提供することはありえない。警察に限らず。
ではまったく配慮がないのかというと、そうでもなくて、容疑者の似顔絵や現場写真、逃走車両などの情報を紙面化することなどには捜査協力としての意味合いもある。事業面で言えばマラソンや花火などのイベントなどで交通規制への協力呼びかけなど、この辺になると持ちつ持たれつの関係だ。
テレビ局の密着番組なども似たようなものだと言えよう。
犯人に告ぐ』では捜査の可視化、的な状況も描かれて、つまり警察発表、記者会見などよりもう少し踏み込んだ形で捜査状況の説明が捜査官自身の言葉で伝えられる。
軍のエンベッド取材などでもそうだが、蜜月的協力関係が保たれている間は情報の共有は双方にいい形で機能する。しかし、いったんこじれれば、ひとつのヤマ丸ごと締め出しを食らうような事態につながる。あるいはメディアの選別という、提供者側からの情報管理が
しやすいという状況が生まれる。

ヤフーがするなら、という形で他のポータルが意識しない訳がない。
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